声優の永井一郎さんが27日未明、逝去されました。
83歳でした。
所属事務所の発表によると、
仕事で訪れていた広島市内のホテルで倒れているのが発見され、
病院に搬送されましたが、死亡が確認された、とのこと。
悲しいお知らせです。
先日、加藤精三さんの葬儀が終わったばかりです。
これは本当のことなのでしょうか。
永井一郎さんはサザエさんの波平さん役をはじめ、
ゲゲゲの鬼太郎の妖怪・子泣き爺役など、
アニメや映画・吹き替えなどで、多くの役を演じてこられました。
最近はバラエティ番組も多く、毎週土曜日のTBS「ニュースキャスター」
では、軽妙なナレーションで1週間のニュースを伝えておられました。
日本の声優界を引っ張ってこられた、声優界の重鎮です。
悲し過ぎます。
戸田幸四郎絵本美術館では、DVDコーナーで上映している
創作絵本映像化作品で『カラス』『おいたてられた2匹のカエル』の
2作品を朗読していただきました。
環境をテーマにした作品は、暗い印象が出過ぎないように読むのが
とても難しいのですが、
永井さんの、どこかユーモラスであたたかい語り口は、
とてもほのぼのとしていて、それでいてシリアスな、
絶妙の雰囲気を作り出しています。
『カラス』も『おいたてられた2匹のカエル』も永井一郎さんの
朗読によって、原作の魅力が、より深まりました。
印象深いのは『カラス』で聞かせていただいた、カラスの鳴き声。
絶品です。永井さんの顔をしたカラスがそこにいるようでした。
舞台出身である永井さんの演技力と、
その引き出しの多さに脱帽でした。
主役を超える存在感を出す、名脇役。
優しき、頑固親父。
いつもスーツでビシッと決めていた、ダンディな永井一郎さん。
ゆっくりと、お休みください。
ありがとうございました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
戸田靖